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猫だったのに、なんかGが湧いてきた
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猫は語っていました。
兎さんが知らない、という、お正月のことを…
兎さんに、そして、少年に…

 

――大きな時計が見えるレンガ街。


猫達はドタバタと騒いでいたり、何かを用意していたり…
師走と言うだけあって、猫の手も忙しいようです。
「にゃーん、年明けまで後15分にゃー!」
そう、一匹の猫が泣き出しそうな声で鳴きました。


その下々の様子を見下ろす黒猫が二匹…
一匹は皮のマントに革のブーツ。短いズボンに、帽子を被っていました。
もう一匹はその肩の上に、ちょこん、と乗っています。
「…にゃー、頑張ってるニャ」
「ニィ」
二匹は時計台の上で見下ろしていました。
その距離は、とても広いのに…二匹は全て見えていました。
「…後、10分にゃ…」
「ニィ…」
「後、10分で…」
黒猫はマントを翻し、時計台の中に入っていきます。
「新年あおおめ★どっきんばぐばぐ何でもアリの新巻鮭争奪戦★ポロリもあるよ。が始まるn」

 


「嘘っすね」
「にゃ?」
兎さんが猫が語っていた話をストップさせます。
「にゃー…」
頬を掻く猫。
「にゃんで分かったニャ?」
「誰でも分かると思うっす」
溜め息をつく兎さん。
「にゃにゃにゃ、でも、新巻鮭争奪戦は本当にあるニャ」
「…本当っすか?」
「ホントにゃ」
目を線にして、猫は言います。
…ふと、時計を見ると、その針は12で同着ゴールをしていました。
「にゃ。あけまして…」
「おめでとう…」
「っす」「にゃ」「もさ」
三人一斉に頭を下げました。


「…それにしても、鐘がにゃいと、新年って感じがしにゃー」
目を線にしながら、猫は言います。
「そう言うモンなんっすか?」
「もさ…」
兎さんと少年は、イマイチ分からないのか、一人と一匹は首を傾げます。
「にゃ、ソレはそうにゃ。にゃら、太郎達にも聞いてみるニャ」
おーい、太郎達ー、と手を振り…
「鐘がにゃーと、新年、って感じはしにゃーよにゃー?」
猫は皆に尋ねます。
「ん。別に」
そう言うのは鳥男。むむぅ、と猫は唸ります。
「それはそうじゃのぉ」
こう言うのは茄子。猫は喜びます。
「じゃ、パノは…」
「えっと…」
少女の言葉を待つ…その時。
ビュン。トッ。
…見れば、足下に矢が刺さっています。

「…」

「…えっと…」
「飛燕…?」
皆の視線が弓矢の飛んできた方向に向かいます。
「…」
無言で黒いオーラを出す青年は、もう一本矢をつがえ…
「…何を、楽しそうに…」
思いっきり、怒っているようです。
「にゃ、飛燕、落ち着くニャ」
「…」
「そ、そうっすよ、とりあえず、食事でもして…」
「要らない…さっき食べた…」
あわあわと、なだめようとする猫と兎さん…しかし、あっさり却下されて、
「…が…」
「…にゃ?」
「血が、見たい…」
「Σ !!」
青年の裏モードが炸裂します。
こうなったら、手のつけようがありません…
「こうなったら、止めるしか…」
慌てて詠唱を始める少女に青年の目が光ります。
「…遅い…小手調べ…」
何本もの弓矢を少女に放ちます。
「ぁ、危にゃー!」
慌てて少女を抱き寄せる猫。
「…」
じーっと見ている青年。黒いオーラ三割り増し。
「にゃ、にゃににゃ…?」
「何故…逃がす…?」
「にゃ、にゃんでって…?」
矢をつがえ、キリキリ、と弓を引き絞る。
「にゃー!?」
「血を…見せろ!」
慌ててその矢を避ける猫。
「にゃ、にゃにゃ、どうするにゃ!?」
兎さんに向けて、猫が叫びます。
このままでは危ないです。ヒジョーに、危ない。
「…!」
ぴこーん。という効果音と共に、電球が光りそうな表情をしました兎さん。
こんな事を言いました。
「れ、練習試合を始めるっすよ!」
「ぇぇぇ!?」
このヤバイ状況で相手するの!?と言わんばかりの鳥と茄子、そして少女。
「構わない…血が…」
恐い青年も、血が見れるチャンスに口元をつり上げます。
「バーローwww」
「むぅ、本気で飛燕を抑えるたい」
「…うん」
二人と一個の結束も高まります。
「…にゃ…これで…」
「さら達は、手を抜けば…」
「…」
小さく息を吐いた二匹に、青年は鋭い視線を投げます。
「…練習試合、だよね…?」
「!」
「本気で、やらないと…」
「にゃ、練習は本気でやるものじゃ…」
猫が反論しようとしますが…
ギロリ。
鋭い視線に何も言えなくなり…
「…本気でやらないと、やばそうっす」
「にゃ…」
小さく頷く猫なのでした。


「…にゃー…助かったニャ…」
色んな意味で…小さく、猫が息をつきます。
最後に立っていたのは、猫と兎さん…かなり、満身創痍です。
「…これなら、飛燕にも、怒られないで…すむっすね…」
…最初の方に集中して攻撃を受けた青年の方を見て…
二匹は深く溜め息をついたのでした。


…しばらくして。
青年が目を覚ますと、黒いオーラはなく…皆、安堵の息をつきました。
その後、青年から何か自分がやっていたか、と聞かれましたが、皆は言葉を濁すばかり…
そんなこんなで、砂地を歩いていました。
「…にゃ?」
ぴこり。
「…ん?」
ぴこり。
猫と兎さんの耳が動きます。
「…聞いたニャ?」
「…聞いたっす」
皆は軽く首を傾げます。
二匹は顔を見合わせ…
「あっち、行かにゃー方が良いかもニャー…」
「なんでですたい?」
「んー…爆発音…それも、結構大きかったっす。もの凄い強い敵がいても、おかしくないっす」
皆は考えます。
向かおうと思っていた先がそんなのでは…?
「…にゃ。食料が許す限り、頑張って強くにゃる、ってゆーのは?」
猫が提案します。
「…そうっすね。さらは、遺跡の奥まで行きたいっす」
「こんな所で、立ち止まっては居られない」
「バーローwww」
「…頑張るたい」
「うん…頑張る」
皆、満面一致で、休みながら、戦う相手を捜すのでした…


「…もさ…」
此処にやる気のないのが一人。
雑草の少年は猫に聞きます。
「…あんたは…がんばるき、あるの…?」
そして、猫は目を線にするのでした。

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非公開
自己紹介:
猫やってました。猫騎士、赤毛の猫、女好き淫魔猫。
今では何故かGやってます。

ヘタレです。
お絵かきがそれなりに好きです。ゲームも好きなんです。

リンク、アンリンク勝手にどうぞー。
万一リンクしていることが発覚したら何かの呪いの装備の如く相互リンク致します。
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