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猫だったのに、なんかGが湧いてきた
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――足し算で考える者も居ると思う。

――数が多ければ強い。大いに結構!

――でも…実際には、かけ算も混じっているような気がしてならない。

――足を引っぱれば…強者も弱者に成り果てる。


「…んにゃ…」
ぐてーん、と伸びている猫が一匹。
四対二。ソレにもかかわらず、猫達は負けていました。
「にゃーんでー?」
ぐてーん、としながら尻尾をペタリ。
目に見えてやる気の無さが伺えます。
「…さぁ…」
少年は何処吹く風。
猫が倒れていようと、練習で負けようと特に気にしないようで…
「…」
猫と組んでいる青年は獲物を探していて聞く耳を持ちませんでした。
「…」
「…」
ふと、ぐてーん、としていた猫が顔を上げ、少年の方を見ます。
「にゃあ」
「…?」
「あの蚯蚓何処行ったにゃ?」
…練習試合の前に、猫のお肉は良いお肉、と言っていたサングラスをかけた蚯蚓…
が、確かに一緒に戦っていたのは覚えているのですが…
その姿が見えなかったのです。
少年はしばし固まっていましたが…
「…そこにいる…」
指差した先には穴一つ。
「…?」
猫は怪訝そうに穴を見つめます。
「…何やってるのにゃ?」
「…さぁ…」
…練習試合前に、ついていくのを辞める、と言っていた蚯蚓の言葉を思い出したのか…
少年はしばし躊躇し、軽く首を傾げました。
「…むぅ」
少年の様子に釈然としないながらも、視線を青年の方に向けました。
「にゃーぁ、見つかっt」
「…」
「…」
「…」
猫の軽口はそのオーラの前では口を噤まざるを得ませんでした。
青年の周りには、目に見えて黒い…禍々しいオーラが漂っています。
「…にゃあ…」
猫はか細く鳴いて、少年の方を見ました。
「…早く、蚯蚓連れてくるにゃ…」
「…もさ…?」
首を傾げる少年に、猫は急かします。
「早く!早くしにゃーと、矛先がニャー達に向くニャ…!」
こそこそ。
少年はその言葉を聞くと、少し青ざめ…穴に手を突っ込みました。
猫は立ち上がり、針を手袋から出します。
…しばらくして、後ろの方から声が聞こえてきました。
「いでででででっ!な、何すんだよっ!」
…蚯蚓の声。
恐らく、少年が掴んで穴から引っこ抜いたのでしょうか。
「…もさ…」
小さく呟く少年に、蚯蚓は尚も続けます。
「だから、なんでオレが危ない目に遭わなくちゃなんn」
「…」
「…」
「…」
「…」
…蚯蚓も感じ取ったのでしょうか…この重々しい空気を…
口を噤むと、コソコソと少年と何かを喋り始めました。
「ちょ、ちょっと待てよ、なんだよ、あのヤバイの」
「…もさ…」
「答えになってねぇって!もう、ヤバイ事はゴメンだぜぇ…」
後ろから溜め息が聞こえると、前から声も聞こえました。
「見つけた…」
青年の声…その言葉に猫達は身震いすると身構えました。
更に前方…黒魔術を行使する黒豚…
「…なんつーか…ご愁傷様だぜ…」
蚯蚓のポツリと呟いた言葉…
今度は四対一で、先ほどの練習試合の鬱憤を晴らそうというのですから…
確かにそうだったのでした。



…しばらくして、猫の溜め息がその場に響きました。
山岳を降りて、知り合いに会ってきたらしく…また山岳に戻ってきたらしい。
「…それにしても、みんにゃ、容赦にゃいにゃー」
「おめーもマジでやってたじゃネェか」
そんな猫の呟きにも突っ込む蚯蚓。
「でも…にゃー…結構、キツイニャ…」
猫は額の汗を拭い…辺りを見回します。
その様子に少年は軽く首を傾げました。
「…にゃんだか、変にゃ感じニャ…」
「もさ…?」
「体が軽い、よーにゃ、気持ち悪い、よーにゃ…」
「はぁ、何言ってンだ、おm」


パシュッ…



「にゃ?」
見れば、景色が変わっていました。
体の不調も綺麗サッパリ無くなっていて…猫は辺りを見回します。
「遺跡…の、外…?」
…ようやく思い出してきました…
数日前、黒豚との勝負に負けた兎さんと青年の調子が悪そうにしていたときのこと…
こんな風に、いきなり外に転送されてしまって、戸惑った事があったのです…
「ふにゃー…にゃんとゆーか…あまり、気持ちいい事じゃにゃいのにゃ」
むぅん、と唸る猫の前に現れる人影…
「…いた…」
「ぁ、もさ…ちょうど良かったニャ。探す手間が省けたにゃ…」
猫は尻尾をくねらせます…が、一つ気になった事があったのか、もさを見つめます。
「…蚯蚓は?」
「…?」
首を傾げる少年。
そして、すぐ側で首を傾げる大きな蟻さん。
「…にゃ?」
「もさ?」
「?」
三匹が見つめ合い、首を傾げるという、奇妙な光景が遺跡外で見られたという。



「ぁ、ミル、見つけたっす」
「にゃー、さらにゃー、茄子ー」
手を振りながら、近寄る猫に、兎さんと茄子が目を瞬かせます。
「…蚯蚓じゃなかったですたい?」
「にゃーも知らにゃー」
目が線になる猫。そして、その隣で首を傾げる蟻さん…
「…まぁ、良いっす」
「良いのにゃ?」
「あまり大きな問題じゃないっす」
首を反対側に傾げる蟻さんを無視して兎さんが続けます。
「それより、買い物は済ませたっすか?」
「んにゃ。ある程度はにゃー」
ごそごそ、とカバンの中を見せ始めました。
「ポーションにー、保存食にー…」
「…それにしても、いっぱい買い込んだたい」
「んにゃ、この石がこの島での通過っぽいからにゃー」
じゃら、と手のひらに転がしたのは…
パワーストーン…と呼ばれる小さな石でした。
「この島から出たら、どうせこれは使えにゃーしにゃ」
そう言うと、革袋の中に戻します…
「でも、コレだけあったら次の探索は楽っすね」
「…」
…急に黙りこくる猫。
「にゃあ」
「…何じゃ?」
茄子をツンツンと突っつき…じゃらり、とパワーストーンを渡しました。
「…どうしたんじゃ?」
「にゃー、食料買ってきて欲しいにゃ」
「は?」
猫が頬を掻きながら、鞄の奥底から何かを取り出しました。
「…これは…?」
手の中にあったのは、青い光を放つ宝石でした。
「んにゃ。み○ずバーガーと、パノに作ってもらった料理を一緒に持って…ぼけー、ってしてたら…」
えへ。と照れ笑いをしながら頭を掻く猫。
「だから、もっとやれば、もっとキラキラが…」
えへへへへ。と少し欲望に満ちた笑みを浮かべる猫…
ですが…
茄子から湯気が飛び出し、跳ね始めました。
…決して、食べ頃、と言うワケでは有りません。
「おいの料理、食べてないですと!?」
「にゃーにゃー、怒らにゃー、怒らにゃー!」
「ミルは一日ご飯抜きたい!」
「ふにゃっ!?一日じゃにゃくて!?」
ぎゃーぎゃー。
猫と茄子が言い争っています…
一方的に猫が負けているのですが…
「…元気っすね」
「…もさ…」



「…ふにゃあ…」
しょぼーん。
膝を抱きながら猫は小さく鳴きました。
お腹の虫も小さく鳴きます。
「にゃーん、一日ご飯にゃしは酷いにゃー…」
よよ。と誰も見ていないにもかかわらず、泣き真似をして…
虚しくなってきたのか、すっく、と立ち上がると海に叫ぶのでした。
「お腹へったぁぁぁ!!バカンスしたいニャァァァ!!」



しばらくして、聞こえてきたのは海のさざ波の音でした。
「ふにゃー、にゃー、甘いもの食べたいにゃー…」
くるりと踵を返し…皆の元に戻る事にしたらしく…
「にゃー、ケーキとか、パイとか…」
しかし、お腹が減っているため余り集中せずに歩いていきます。
周りの状況など、見えていないのでしょう…
「にゃ、あんこも良いよにゃ…っ!?」

どん。

何かにぶつかり、慌ててソレを見ます。
「にゃ、ゴメンにゃー…にゃ?」
…見れば…それは…

じゅるり。




「…ぁ、アレじゃなかと?」
茄子と兎さんは猫の行方を捜していました。
もうすぐ魔法陣に乗り込むのだというのに、全然姿を見せなかったためでした…
「…ミルー…?」
なんだか、猫の様子がおかしい事に気付いた兎さんはその目の前にあるモノを見てみると…
「…タイヤキ、っすか?」
見れば、タイヤキが猫に対して何かを怒っています。
しかし、猫は微動だにしていません…
「…タイヤキもこの島じゃ動くっすね」
「まぁ、ありえない事じゃなかと」
茄子が兎さんの言葉にそう言うと、猫の隣に行き…
「すまんと、ウチのパーティメンバーが迷惑かけた…?」
じゅるり。
すぐ側で聞こえた音にその方向を向きます。
…見れば、猫の口元にはよだれが…
「!?」
…食事を抜かしていた猫には、それはそれはとても美味しそうに見えたのでしょうか…
一方タイヤキはと言うと、身の危険を感じたのか、慌てて離れて仲間を呼び…
「…練習試合、するしかないっすかねぇ?」
「…しょうがなかと…行くたい」
不承不承、兎さんと茄子も巻き込まれる事となったのでした。
…こんな事なら、最初からご飯抜きにしなければ良かったと、少し後悔していたとかしていなかったとか。

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猫やってました。猫騎士、赤毛の猫、女好き淫魔猫。
今では何故かGやってます。

ヘタレです。
お絵かきがそれなりに好きです。ゲームも好きなんです。

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万一リンクしていることが発覚したら何かの呪いの装備の如く相互リンク致します。
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