猫だったのに、なんかGが湧いてきた
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――別れは急に訪れる。
――すぐに会えないとなると、寂しくなるモノ…
――その穴は、とても大きい気がするのだ…
――そして、猫にも…別れが訪れる。
「ふにゃー…にゃー」
「ミル…いい加減、目を覚まして下さい」
溜め息と共に、紅い目を持つ少女は猫に言った。
先ほどから、練習試合での相手…に、居た…仮面を付けた少女にメロメロだったらしい。
「にゃーん、にゃーん、もふもふしたいぃぃ~」
ごろごろ。
猫は微かに地熱があるのか、温かい砂の上でゴロゴロと身体を擦り合わせていた。
「…はぁ…」
もう一度、少女は溜め息をついた。
「いつ…切り出せばいいか、分からないではないですか…」
「…もさ?」
小さく呟いた言葉に、近くにいた緑の髪を持つ少年は首を傾げる。
その様子を見れば、少女は苦笑しながら言った。
「実は…」
「にゃー…さらにゃー、大変だったニャー…」
やはり、嫌な予感は当たっていたらしく…少しボロボロになった兎さんは言いました。
「まぁ、持ってかれたのが新しく作った武器じゃなかったから、まだ良かったっすけど…」
溜め息を一つ。
何やら、今日は溜め息が多い日です。
「とにかく、パノはここら辺には居ないみたいっすし、早くここから…ん?」
隠し通路の方を見れば、大きなタラバガニが…
目を輝かせたのは猫でした。
「にゃーん…!!かに、かにぃ!!」
興奮しているのか、タラバガニを指さし、兎さんに何度も感嘆の声を上げています。
「見れば分かるっすよ。でも、ちゃんと勝てる相手に…ん?」
ふと、兎さんが見た先には…
うじゅるうじゅる。
うねうねと足を動かす、世にも珍しい砂の上に生息する蛸…
「…」
蛸と蟹を見比べる兎さん。
そして出した答えは…
「分かったっす。じゃ、さらがあの蟹さんを相手するっすから、ミルはあっち頼むっす」
そういうと、斧を構えてそのまま向かっていきました。
「にゃ?にゃーん、頑張ってニャー♪」
手をフリフリ、その様子を見ていました…が…
「…にゃにあれ?」
「…古代の魔導器…みたい、ですね…」
猫の問いに少女が答えると、猫はほぅ、と息を吐き、
「罠とはやるにゃ…この遺跡…!!」
勝手に一匹で良い解釈。兎さんを助けに行くという選択肢はないらしい。
「さーてと、飛燕とへたにも、行くって事伝えにゃーと…ん?」
背伸びをして振り返ってみれば…
うじゅるうじゅる。
世にも珍しい、砂の上で生息する蛸が居ました。
「…蛸にゃ…」
「蛸ですね」
「…もさ…」
…うじゅるうじゅる。
その目が敵意で光った瞬間、猫は目を見開き後ろに飛んだ。
足があった場所には吸盤の付いた触手が何本も砂を剔って…
「ふにゃー…殺る気満々、にゃー…?」
ざっ、と柔らかい砂の上に着地した為か、少しだけよろめいて、目を瞬かせる。
いつの間にかすぐ横にいる少女…そして、少し前には緑の髪の少年。
…完全に臨戦態勢は整っていた。
「にゃー、みんにゃを呼ぶ暇は無い、かにゃー…」
猫が小さくぼやいたその時、
「…ミル…話があります」
「にゃ?」
猫の隣にいた少女は蛸を見つめながら口を開いた。
「あたしは、帰らなければなりません…」
「にゃにゃ?」
急な話に目を丸くする猫。しかし、少女は続けます。
「この頃、遺跡内の動物や植物…鉱石も、行動が活性化しています…私も…巣に、戻らなければ…」
下唇を噛みしめる少女に、猫は頬を掻いて…
「…まぁ…お家の事情、にゃら…しょうがにゃい、よにゃ…」
言いにくそうに、視線を落として笑いました。
そんな猫の様子に、少女は「ごめんなさい…」と、小さく呟いて…
「…見れば、あの蛸…なかなか強いようです…」
手を振れば、いつの間にか拳の間には長い針が挟まっていた。
「私が…奴を引き込みます。私の代わりに…せめてもの、礼、です」
その赤い目は猫を映していて…猫はその金色の瞳で少女を捕らえていました。
「…分かったにゃ…絶対に…」
猫も拳を作り、指の間から針を出します。
「絶対に、勝つニャ」
「ぇぇ…ミル」
言うが早いか、猫は指を鳴らし…
指の間に挟まっていた針は蛸に向かって飛んでいた。
「…」
「…」
「…」
「…」
動きが遅くなった蛸に、猫は息をつきました。
「にゃー…にゃんでこんにゃに踏ん張れるのにゃ…?」
「…私達の攻撃が効いていなかったのかも知れません…あの身体のせいで」
少女は目を閉じ…目を開けば、猫に言います。
「…ミル…今まで、御世話に…」
「…」
その言葉を猫は指で止めました。
「…平原に行ってから…で、良いじゃにゃー…にゃ?」
…猫の笑みは、少しいびつだったかも知れません。
悲しいにもかかわらず、何故か笑みを浮かべた猫に、誰も論を言うことは出来ませんでした。
…無言で隠し通路から出て。
魔法陣の上を行き…
平原にたどり着けば、水場の近くで座りこみました。
「…」
猫の隣に少女が座ると、猫が見ているその先…壁しか見えないその先を見つめます。
…緑の髪の少年は蛸の触手に絡まれながらもがいていました。
「…ミル…もうそろそろ、私は…」
「…にゃあ」
小さな声で猫は鳴きました。
「ご飯、食べてからじゃ…ダメ、かにゃ?」
「…」
「…びぃ、と…ご飯、食べるの…かにゃーり先ににゃりそうだしにゃ」
その猫の瞳は何を映している?
猫の先にある壁を見ているのだろうか…
「分かりました…あの蛸をちゃんと使役するまでは、一緒に居ましょう」
「にゃーん、ありがとにゃー…」
「…別に、一緒にいたからじゃ、ありませんから」
つい、と猫に表情を見せない様にそっぽを向くと、猫が小さく笑いました。
「にゃー、素直じゃにゃいにゃー…」
「…ぇぇ、素直じゃありません」
小さく息をついて、少女は視線を戻します。
「私も、出来れば…ミルと、もっと居たかった…」
目元を緩め、猫の姿を映せば、ぽつりぽつりと喋りだしました。
「初めて出会ったとき、まさか、負けるとは思っていませんでした。ましてや、兎と、猫に」
「そりゃあにゃー、ニャーも生きた心地はしにゃかったしにゃ」
苦笑しながら、猫は相づちを打ちます。
「ぇぇ、だから…着いていこう、って思った時…仲間には、内緒だったんです」
「…怒ってるかにゃ?」
「分かりません…女王の子供達が泣き喚いて、それどころじゃないかも知れません」
くすくすと笑うと、天井を見上げます。
…遺跡の中なのに、明るく…自然が蔓延る…
そんな天井を見つめ、少女は言いました。
「ミルと居る間、仲間のことも思い出しては居ました。でも…それ以上に、私は楽しかった」
「…」
「働き蜂でしかなかった私が…冒険、出来たのですから…」
その表情は、とても嬉しそうに…何かを、噛みしめるように。
「あの、遺跡の門番を…ミルと、一緒に倒したとき…本当に嬉しかったから…」
目を閉じ、息をつくと、また視線を猫に戻しました。
「…ミル。また…会えますか?」
その言葉に、猫は小さく頷きました。
「…にゃ…きっと。また、会えるにゃ」
…二人はどちらともなく、微笑みを携え…手を差し出します。
その、小指を絡め…
「約束です」
「約束にゃ」
小指同士がほぐれると、猫は少女を抱きしめました。
「ミル…?」
「にゃ、モフモフするの忘れてたにゃ…可愛い女の子にゃのににゃ」
「…」
少女は目を丸くしていましたが…くすり、と笑いました。
「…もう一つ、感謝しています…」
「にゃににゃ?」
「人と触れるとき…固くて、冷たい身体じゃなくて…柔らかくて、温かい身体で…触れれることを…」
少女が猫の背中に腕を回し、
「この身体に、変えて下さったことを」
猫の肩に顎を置き…
しばらく、二人はそうしているのでした。
「…もさ…」
三人は食事を取りながら、話していました。
「まだ、あの蛸には…メイクアップ、出来ないのですか?」
「にゃ、にゃんとゆーか、体力が高いからニャー…モー少し、弱ってくれにゃーと、ニャーの魔力じゃ…にゃー」
猫が頬を掻きながら蛸の方を見ます。
蛸は蛸で、暇なのか…草むらの草をぶちぶちと毟っていました。
「…もさ…」
…同族が毟られていると思うのか、少年は眉をひそめ、そっぽを向いて食事を続けます。
少女が蛸から視線を外すと、ふむ、と小さく呟いて…
「…もう一日、一緒に行動することになりそうですね」
「…お願い出来るかニャ?」
「ふふ」
猫の問いに、少女は小さく笑って…
「ミルの頼みならば…しょうがないですね」
最後の一口を口に放り込みました。
「にゃー…んで、今度は茄子が居なくにゃった、と…」
溜め息を一つ。
「そうみたいですね…ごめんなさい…」
一緒にいた三角帽子を被った少女が小さく呟くと、猫は慌てて言いました。
「にゃにゃ、パノのせいじゃにゃいにゃ」
「…もさ…」
「まぁ、そんなわけっすから…」
「少し、時間を潰しましょう」
「…にゃ?」
兎さんと黒髪の青年の方を猫が見ると、三角帽の少女は言います。
「練習試合、です…」
「…」
猫が目を瞬かせますが、小さく頷いて、
「にゃーん、それじゃー、やるにゃー?」
「ん?今日はやけにやる気っすねぇ」
「じゃ、オレは休んでるわ」
やる気を見せる猫に、上半身が鳥の男は水場の方に向かい…
猫は紅い目を持つ少女の方を見て…小さく笑いました。
「…」
「…」
紅い目を持つ少女もつられて笑い…
猫は言いました。
「と、ゆーわけで、もさっ!女の子三人をちゃんと守るのにゃー!」
「もさっ!?」
…今日も、猫は元気である。
――すぐに会えないとなると、寂しくなるモノ…
――その穴は、とても大きい気がするのだ…
――そして、猫にも…別れが訪れる。
「ふにゃー…にゃー」
「ミル…いい加減、目を覚まして下さい」
溜め息と共に、紅い目を持つ少女は猫に言った。
先ほどから、練習試合での相手…に、居た…仮面を付けた少女にメロメロだったらしい。
「にゃーん、にゃーん、もふもふしたいぃぃ~」
ごろごろ。
猫は微かに地熱があるのか、温かい砂の上でゴロゴロと身体を擦り合わせていた。
「…はぁ…」
もう一度、少女は溜め息をついた。
「いつ…切り出せばいいか、分からないではないですか…」
「…もさ?」
小さく呟いた言葉に、近くにいた緑の髪を持つ少年は首を傾げる。
その様子を見れば、少女は苦笑しながら言った。
「実は…」
「にゃー…さらにゃー、大変だったニャー…」
やはり、嫌な予感は当たっていたらしく…少しボロボロになった兎さんは言いました。
「まぁ、持ってかれたのが新しく作った武器じゃなかったから、まだ良かったっすけど…」
溜め息を一つ。
何やら、今日は溜め息が多い日です。
「とにかく、パノはここら辺には居ないみたいっすし、早くここから…ん?」
隠し通路の方を見れば、大きなタラバガニが…
目を輝かせたのは猫でした。
「にゃーん…!!かに、かにぃ!!」
興奮しているのか、タラバガニを指さし、兎さんに何度も感嘆の声を上げています。
「見れば分かるっすよ。でも、ちゃんと勝てる相手に…ん?」
ふと、兎さんが見た先には…
うじゅるうじゅる。
うねうねと足を動かす、世にも珍しい砂の上に生息する蛸…
「…」
蛸と蟹を見比べる兎さん。
そして出した答えは…
「分かったっす。じゃ、さらがあの蟹さんを相手するっすから、ミルはあっち頼むっす」
そういうと、斧を構えてそのまま向かっていきました。
「にゃ?にゃーん、頑張ってニャー♪」
手をフリフリ、その様子を見ていました…が…
「…にゃにあれ?」
「…古代の魔導器…みたい、ですね…」
猫の問いに少女が答えると、猫はほぅ、と息を吐き、
「罠とはやるにゃ…この遺跡…!!」
勝手に一匹で良い解釈。兎さんを助けに行くという選択肢はないらしい。
「さーてと、飛燕とへたにも、行くって事伝えにゃーと…ん?」
背伸びをして振り返ってみれば…
うじゅるうじゅる。
世にも珍しい、砂の上で生息する蛸が居ました。
「…蛸にゃ…」
「蛸ですね」
「…もさ…」
…うじゅるうじゅる。
その目が敵意で光った瞬間、猫は目を見開き後ろに飛んだ。
足があった場所には吸盤の付いた触手が何本も砂を剔って…
「ふにゃー…殺る気満々、にゃー…?」
ざっ、と柔らかい砂の上に着地した為か、少しだけよろめいて、目を瞬かせる。
いつの間にかすぐ横にいる少女…そして、少し前には緑の髪の少年。
…完全に臨戦態勢は整っていた。
「にゃー、みんにゃを呼ぶ暇は無い、かにゃー…」
猫が小さくぼやいたその時、
「…ミル…話があります」
「にゃ?」
猫の隣にいた少女は蛸を見つめながら口を開いた。
「あたしは、帰らなければなりません…」
「にゃにゃ?」
急な話に目を丸くする猫。しかし、少女は続けます。
「この頃、遺跡内の動物や植物…鉱石も、行動が活性化しています…私も…巣に、戻らなければ…」
下唇を噛みしめる少女に、猫は頬を掻いて…
「…まぁ…お家の事情、にゃら…しょうがにゃい、よにゃ…」
言いにくそうに、視線を落として笑いました。
そんな猫の様子に、少女は「ごめんなさい…」と、小さく呟いて…
「…見れば、あの蛸…なかなか強いようです…」
手を振れば、いつの間にか拳の間には長い針が挟まっていた。
「私が…奴を引き込みます。私の代わりに…せめてもの、礼、です」
その赤い目は猫を映していて…猫はその金色の瞳で少女を捕らえていました。
「…分かったにゃ…絶対に…」
猫も拳を作り、指の間から針を出します。
「絶対に、勝つニャ」
「ぇぇ…ミル」
言うが早いか、猫は指を鳴らし…
指の間に挟まっていた針は蛸に向かって飛んでいた。
「…」
「…」
「…」
「…」
動きが遅くなった蛸に、猫は息をつきました。
「にゃー…にゃんでこんにゃに踏ん張れるのにゃ…?」
「…私達の攻撃が効いていなかったのかも知れません…あの身体のせいで」
少女は目を閉じ…目を開けば、猫に言います。
「…ミル…今まで、御世話に…」
「…」
その言葉を猫は指で止めました。
「…平原に行ってから…で、良いじゃにゃー…にゃ?」
…猫の笑みは、少しいびつだったかも知れません。
悲しいにもかかわらず、何故か笑みを浮かべた猫に、誰も論を言うことは出来ませんでした。
…無言で隠し通路から出て。
魔法陣の上を行き…
平原にたどり着けば、水場の近くで座りこみました。
「…」
猫の隣に少女が座ると、猫が見ているその先…壁しか見えないその先を見つめます。
…緑の髪の少年は蛸の触手に絡まれながらもがいていました。
「…ミル…もうそろそろ、私は…」
「…にゃあ」
小さな声で猫は鳴きました。
「ご飯、食べてからじゃ…ダメ、かにゃ?」
「…」
「…びぃ、と…ご飯、食べるの…かにゃーり先ににゃりそうだしにゃ」
その猫の瞳は何を映している?
猫の先にある壁を見ているのだろうか…
「分かりました…あの蛸をちゃんと使役するまでは、一緒に居ましょう」
「にゃーん、ありがとにゃー…」
「…別に、一緒にいたからじゃ、ありませんから」
つい、と猫に表情を見せない様にそっぽを向くと、猫が小さく笑いました。
「にゃー、素直じゃにゃいにゃー…」
「…ぇぇ、素直じゃありません」
小さく息をついて、少女は視線を戻します。
「私も、出来れば…ミルと、もっと居たかった…」
目元を緩め、猫の姿を映せば、ぽつりぽつりと喋りだしました。
「初めて出会ったとき、まさか、負けるとは思っていませんでした。ましてや、兎と、猫に」
「そりゃあにゃー、ニャーも生きた心地はしにゃかったしにゃ」
苦笑しながら、猫は相づちを打ちます。
「ぇぇ、だから…着いていこう、って思った時…仲間には、内緒だったんです」
「…怒ってるかにゃ?」
「分かりません…女王の子供達が泣き喚いて、それどころじゃないかも知れません」
くすくすと笑うと、天井を見上げます。
…遺跡の中なのに、明るく…自然が蔓延る…
そんな天井を見つめ、少女は言いました。
「ミルと居る間、仲間のことも思い出しては居ました。でも…それ以上に、私は楽しかった」
「…」
「働き蜂でしかなかった私が…冒険、出来たのですから…」
その表情は、とても嬉しそうに…何かを、噛みしめるように。
「あの、遺跡の門番を…ミルと、一緒に倒したとき…本当に嬉しかったから…」
目を閉じ、息をつくと、また視線を猫に戻しました。
「…ミル。また…会えますか?」
その言葉に、猫は小さく頷きました。
「…にゃ…きっと。また、会えるにゃ」
…二人はどちらともなく、微笑みを携え…手を差し出します。
その、小指を絡め…
「約束です」
「約束にゃ」
小指同士がほぐれると、猫は少女を抱きしめました。
「ミル…?」
「にゃ、モフモフするの忘れてたにゃ…可愛い女の子にゃのににゃ」
「…」
少女は目を丸くしていましたが…くすり、と笑いました。
「…もう一つ、感謝しています…」
「にゃににゃ?」
「人と触れるとき…固くて、冷たい身体じゃなくて…柔らかくて、温かい身体で…触れれることを…」
少女が猫の背中に腕を回し、
「この身体に、変えて下さったことを」
猫の肩に顎を置き…
しばらく、二人はそうしているのでした。
「…もさ…」
三人は食事を取りながら、話していました。
「まだ、あの蛸には…メイクアップ、出来ないのですか?」
「にゃ、にゃんとゆーか、体力が高いからニャー…モー少し、弱ってくれにゃーと、ニャーの魔力じゃ…にゃー」
猫が頬を掻きながら蛸の方を見ます。
蛸は蛸で、暇なのか…草むらの草をぶちぶちと毟っていました。
「…もさ…」
…同族が毟られていると思うのか、少年は眉をひそめ、そっぽを向いて食事を続けます。
少女が蛸から視線を外すと、ふむ、と小さく呟いて…
「…もう一日、一緒に行動することになりそうですね」
「…お願い出来るかニャ?」
「ふふ」
猫の問いに、少女は小さく笑って…
「ミルの頼みならば…しょうがないですね」
最後の一口を口に放り込みました。
「にゃー…んで、今度は茄子が居なくにゃった、と…」
溜め息を一つ。
「そうみたいですね…ごめんなさい…」
一緒にいた三角帽子を被った少女が小さく呟くと、猫は慌てて言いました。
「にゃにゃ、パノのせいじゃにゃいにゃ」
「…もさ…」
「まぁ、そんなわけっすから…」
「少し、時間を潰しましょう」
「…にゃ?」
兎さんと黒髪の青年の方を猫が見ると、三角帽の少女は言います。
「練習試合、です…」
「…」
猫が目を瞬かせますが、小さく頷いて、
「にゃーん、それじゃー、やるにゃー?」
「ん?今日はやけにやる気っすねぇ」
「じゃ、オレは休んでるわ」
やる気を見せる猫に、上半身が鳥の男は水場の方に向かい…
猫は紅い目を持つ少女の方を見て…小さく笑いました。
「…」
「…」
紅い目を持つ少女もつられて笑い…
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ENo920PL
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非公開
自己紹介:
猫やってました。猫騎士、赤毛の猫、女好き淫魔猫。
今では何故かGやってます。
ヘタレです。
お絵かきがそれなりに好きです。ゲームも好きなんです。
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万一リンクしていることが発覚したら何かの呪いの装備の如く相互リンク致します。
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ヘタレです。
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